棺桶への眠り
大きな部屋の中央に、 ひとつの棺桶が置かれていました。

思っていたより、 怖いものではありません。

中には、 やわらかな布が敷かれ、 静かな光が差し込んでいました。
クマムシおばちゃんが、 そっと言いました。

「大丈夫。」
「いつか、また会えるからね。」
意識の長老は、 静かにこちらを見ています。

「少しのあいだ、 眠ってください。」

「眠りは、 終わりではありません。」

「次の世界へ進むための扉です。」
棺桶の中へ
ゆっくり横になります。

目を閉じます。

外の音が、 少しずつ遠くなっていきます。

クマムシおばちゃんの声も。
長老の声も。
意識の街の音も。

そして――

ふたが、静かに閉まりました。
……暗い。

でも、 不思議と怖くありません。

ただ、 眠くなっていきます。
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