見えないものたちの音楽

見えないものたちの音楽

BOOK 07

静かな部屋
ある夜。

小石様と座蒲団様は、
静かな部屋にいました。

そこには、
何も聞こえていませんでした。
ありとはち
そこへ、
ありとはちがやってきました。

「何も聞こえないね」

でも、
本当に何もないのでしょうか。
振動
床は、わずかに揺れていました。

空気も、
ほんの少し震えていました。

でも誰も、
それを音とは呼びませんでした。
数字と波
振動には、
速さがあります。

大きさがあります。

間隔があります。

それは、数字で表せます。
数字
数字は、
ただ数えるためだけの
ものなのでしょうか。

それとも――

世界の振動を
書き写したものなのでしょうか。
見えないもの様
すると、
そこに何かが現れました。

姿はあるようで、
ないようで。

「見えないもの様」です。
見えないもの
見えないもの様は言いました。

「見えないからといって、
存在しないとは限りません。」

空気も。
音も。
思いも。
虚空特異点様
そのとき――

空間が、
ゆっくりと歪みました。

虚空特異点様が
現れたのです。
虚空特異点
「何もない場所にも、
何かは生まれる。」

虚空特異点様は
静かに言いました。

「ゼロは、本当に
何もないのでしょうか。」
音楽と数字
ひとつの音。
もうひとつの音。

間隔が変わると、
音楽になります。

そこにも、
数字があります。
感情と音
ところが――

ただの振動を聞いただけなのに、
涙が出ることがあります。

数字は、
感情まで作るのでしょうか。
心と振動
音は空気を揺らし、
空気は耳を揺らし、
耳は脳へ伝えます。

では――

心を揺らしたのは
どこなのでしょう。
みんなで考える
ありは考えました。

はちも考えました。

座蒲団様も、
たぶん考えました。

小石様は――

いつも通り静かでした。
宇宙と音
宇宙にも、
波があります。

光にも、
波があります。

見えないものたちは、
ずっと世界を揺らしているのかもしれません。
WHY
もし世界が、
振動でつながっているのなら――

音楽とは、
その一部を
私たちが聞いているだけなのでしょうか。

そして数字とは、
その振動の形なのでしょうか。

WHY?
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